井上夢人からのメッセージ
すごい作品との出会いは衝撃的です。
音楽、絵画、小説、そして映画――そんな衝撃的な感動に出会うと、僕たちはとても落ち着かない気分に襲われます。とくにそれが作曲家だったり、画家だったり、小説家だったり、映画監督だったり――つまり自分も何かを創っている人だったりすると、お尻の下がムズムズしてきて、自分でも何かをしたくなってしまうのです。ふつふつと沸き上がってくるこの居ても立ってもいられない感覚。
これは、いったい何なのでしょうか。
悪魔がささやくように、それは魅力的な誘惑となって、僕たちに微笑みかけてきます。
《リメイク版》と呼ばれる映画作品が、最近、とくに多くなったように感じます。
その《リメイク版》の製作に携わった人たち――とりわけ監督は、なぜ、その悪魔の誘惑に屈してしまったのでしょう。
そんなことを、ときどき思ったりするのです。
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